保育士は男性でもなれる?男性保育士をめぐる事情や必要性について解説

保育士は男性でもなれる?男性保育士をめぐる事情や必要性について解説

保育士といえば、女性が担当する仕事というイメージが強いのではないでしょうか。実際のところ、保育士には女性が多く、女性の方がより適正があると考える人は多いようです。

しかし、時代の移り変わりとともに保育の現場を志す男性は増えており、そうした事実が「保育士」という資格を生んだといっても過言ではありません。今回は、男性保育士をめぐるさまざまな事情を見渡しながら、男性保育士の必要性について解説していきます。

「保育士」という資格が出来たのは2000年代以降

保育士とは、保育園や保育所のような児童福祉施設において、子どもの教育や世話、またそれに関連した保護者達のサポートなどを主な業務としている仕事です。

保育士は国家資格

保育士として世で働くためには、「保育士」資格という国家資格が必要となります。養成校での所定の単位の取得、ないしは保育士国家試験の合格によって資格取得が可能です。また、実際に働くためには、各都道府県知事への保育士登録申請、およびその申請受理による保育士登録が完了しないといけません。

保育士という資格は近年まで存在しなかった

保育士という資格が近年まで存在しなかったということを知っていましたでしょうか。かといって、保育の現場は無資格で運営されていたかというと、それも不正解です。従来は、別の資格がちゃんと設けられていたのです。

従来は「保母」資格のみだった

歴史を辿れば、この「保育士」という資格はもともとありませんでした。以前は児童福祉法の規定による国家資格として「保母」資格がありました。

保母資格は1948年に生まれた資格で、乳幼児や未就学児の保育は女性の仕事と考えられていたことから、保育を行う人を「保母さん」と呼び、女性であることが前提となっていました。

しかし、時代の移り変わりとともに保育現場を志す男性が増えたことを受け、1970年代に法律上においても男性が保育者として従事することが認められましたが、当時は保母に対して「保父」と呼ばれていました。

その後、2003年に児童福祉法改正が行われました。この改正によって、従来「保母」と呼ばれていた資格とは別に、男性でも違和感のない「保育士」という名称の国家資格が誕生したのです。

「保育士」はそもそも男女兼用として誕生した資格である

つまり、保育士という資格は、実際に現実として保育の仕事を目指す男性が増えてきたことを受けて、近年になってようやく設けられた資格です。そのため、「男性が保育士になれるのか」という命題はある種、本末転倒であるといえます。

保育士は国家資格として整備が進められてできた資格であると同時に、男女ともに資格取得及び就業が可能な職業としての名称としても、広く認知を促すために名付けられたと言っても過言ではありません。少し語弊があるかもしれませんが、保育士はある種男性の為に設けられたもの、といっていいのです。

保母資格が消滅したわけではない

こうした歴史を考えると、一見「保母」から「保育士」へ名称変更されて、保母資格は消滅したかに思えます。しかし、実際にはそうではなく、従来の保母資格を持っている人も保育の現場で働くことが可能です。

ただ、現在の保育士資格とは細かな要件などが大きく異なることから、保母資格を持っている人が保育士として働くには各都道府県知事の委託を受けた社会福祉法人日本保育協会への保育士登録の手続きが必要となり、その手続きによって保育士証を交付される必要があります。

男性保育士の必要性や将来性は充分にある

男性保育士といえばどうしても少数派にはなってしまいますから、肩身が狭い思いをするのも事実かもしれません。しかし、実際のところ男性保育士には必要性も将来性も充分にあるのです。それにはたとえば、以下のような理由が挙げられます。

保育の現場は何かと力仕事である

保育の現場は、子どもを抱っこしたり、子どもと遊んだり、何かと体力や筋力、持久力などが必要となるタフな人材が重要視されます。特に比較的成長した4、5歳くらいの子ども、特に男の子の場合、女性の保育士さん相手だと遊びについていけない場合や、ぶつかった際に子どもを支えきれず保育士さんが転倒するなどの危険性があります。

そうした時に男性保育士が重宝されるのです。個人差はあるにせよ女性と比べると明らかな体力差、体格差がある男性がいると、こうした体力が求められるシチュエーションにおいて重宝され、子ども達も遊び相手として満足してくれる可能性が大きくなります。

子どもの体力は尋常ではありませんので、元気いっぱいな子どもを力一杯遊ばせてあげるために、男性保育士は貴重な存在となるのです。

女性社会の中での「男性」性の貴重さが大きい

近年特に時代の変化も影響してか、シングルマザーの家庭も昔に比べると増えてきています。そうした家庭で育った子どもには父親という存在がいないので、男性保育士が男親の代替的存在として今後更に重要度が増していくと考えられています。

また、同じく時代の変化としてシングルファザーや主夫など、男親が保育の現場に顔を出さなければならないことも増えてきました。そうしたときに、ほかの保護者や保育士が女性ばかりだと、何かと肩身の狭い思いをしてしまいがちです。男性保育士がいれば、同性ということもあってより気軽に話ができ、相談相手としても重宝されるでしょう。

保育の現場は女性社会でもあり、女性社会ならではの陰湿さが蔓延しがちです。そうしたときにも男性保育士はいい緩衝材として機能するでしょう。

まとめ

以上、保育士は男性でもなれるのか、といった疑問への回答から、男性保育士の必要性までを一通り説明してきました。保育士はその呼称からして男女兼用の資格として機能していますので、男性であっても気後れする必要はありません。保育や子どもが好きならば、自信を持って保育士を志してください。

サンキャリアでは、男性保育士の求人も含め、業界に特化した豊富な求人を紹介させていただいております。自身のスキルやキャリア、働く都合などを加味した最適な職場探しに必ずやお力添えできるはずです。

まずは求人に関するご相談から、お気軽にお問い合わせください。

img

お問い合わせ・ご相談はこちら

  • 052-990-2401
  • メールでのご相談